夜は光が少ないので、5 章の相反則で見たとおり、どこかで何かを差し出す必要があります。夜の撮影は、最初に次のどちらで撮るかを決めると、残りの設定が自然に決まります。
- 三脚で撮る — カメラを固定し、シャッター速度を数秒〜数十秒まで遅くします。ISO を低くでき、ノイズのない、くっきりした夜景が撮れます。動くものは流れます
- 手持ちで撮る — 絞りを開け、ISO を上げて、手ブレしない速さを確保します。動く人も止められますが、ノイズは増え、深度は浅くなります
三脚で撮る夜景#
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ブルーアワーに合わせて行く 10 自然光
日の入りの 20〜40 分後、空がまだ深い青のうちが、空と街の灯りの明るさの釣り合ういちばんの時間。
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三脚に据え、手ブレ補正を切る 07 シャッターと時間
シャッターは 2 秒のセルフタイマーかリモコンで切る。
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ISO を最低にする 03 センサーと画質
光は時間で稼ぐので、ISO は
100など最低の値でよい。ノイズが最も少なくなる。 -
絞りを決める 06 絞りと被写界深度
街の灯りに光条を出したいなら
f/11〜f/16、解像を優先するならf/8。 -
ピントを合わせる 04 ピントとオートフォーカス
ライブビューで明るい灯りを拡大し、マニュアルフォーカスで合わせる。AF は暗いと迷いやすい。
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露出を決める 08 測光とヒストグラム
絞り優先かマニュアルで、数秒〜30 秒。ヒストグラムで灯りが白飛びしすぎていないか確かめる。夜景は暗いのが自然なので、露出補正はマイナス寄りに。
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ホワイトバランスを決める 12 色
街の灯り(ナトリウム灯や電球)を自然に見せるなら
3200〜4000K。空の青を強調するなら低めに。
夜景の明るさ#
カメラの測光は、夜景を「中間グレー」に写そうとして、明るく持ち上げすぎることがよくあります(8 章)。夜の暗さが失われ、灯りが白く飛びます。露出補正を −0.7〜−1.3 にするか、M モードで明るさを決めます。
夜景の光源は、画面の中のごく一部で、とても明るく光っています。ヒストグラムで小さな白飛びが出るのは自然なことで、気にするべきなのは、灯りの周りの看板や建物の壁が広く飛んでいないかです。
ホワイトバランス#
街の灯りの多くは電球色やオレンジのナトリウム灯で、ホワイトバランスを太陽光にすると、全体がオレンジに写ります。3200〜4000K にすると灯りは白っぽく、空は深い青になります(12 章)。どちらが正しいということはなく、暖かい夜にするか、澄んだ夜にするかの選択です。
光跡(Google 画像検索)#
道路を走る車のライトを、長い露光で光の線として写すのが 光跡 です。
- シャッター速度は
5s〜30s。車が画面を横切りきるくらいの時間に - 絞りは
f/8〜f/16。光の線の明るさを抑え、街も適正に - 歩道橋の上や、カーブの見下ろせる場所から撮ると、線が流れるように描かれます
- 車の少ない時間には、何枚か撮って比較明合成すると、光の線を増やせます(7 章)
花火(Google 画像検索)#
- 三脚、マニュアルフォーカス(花火が開く距離に合わせておく)、ISO
100、f/8〜f/11 - シャッターはバルブ(7 章)で、打ち上がった瞬間に開き、開ききって消えるまで(
2s〜6s)開けておきます - 何発も重ねると明るくなりすぎて白く潰れるので、1〜3 発程度で閉じます
- 風上から撮ると、煙が画面に流れてきません
手持ちで撮る夜のスナップ#
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絞りを開ける 06 絞りと被写界深度
f/1.4〜f/2の明るい単焦点が強い味方になる。 -
シャッター速度の下限を決める 07 シャッターと時間
止まっているものなら手ブレ補正込みで
1/15s前後まで、歩く人を止めるなら1/125sより速く。 -
ISO はオートで、上限を決める 05 露出と段
ISO 3200〜12800まで許す。ノイズより、ブレのほうが写真を壊す。 -
暗さを残す 08 測光とヒストグラム
露出補正をマイナスにして、夜の暗さと灯りの色を残す。明るくしすぎるとノイズも目立つ。
光の当たっている場所(街灯の下、ショーウインドウの前)に被写体を置くと、少ない光でもきれいに写ります。暗い場所に向けてシャッターを切るより、光を探すことが夜のスナップの基本です。
星を撮る#
星空の撮影は、光が極端に少ない中で、動いていく星を写す、もっとも条件の厳しい撮影の 1 つです。
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暗い場所と日を選ぶ 10 自然光
街明かりから離れ、月の出ていない夜(新月の前後)を選ぶ。天の川は春から秋がよく見える。
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広角の明るいレンズを開放で 06 絞りと被写界深度
14〜24mm、f/1.4〜f/2.8。光を少しでも多く集める。 -
ピントを無限遠の星に合わせる 04 ピントとオートフォーカス
ライブビューで明るい星を最大に拡大し、マニュアルフォーカスで点がいちばん小さくなる位置へ。∞ の印の位置は正確ではないことが多い。
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シャッター速度を 500 ルールで決める 07 シャッターと時間
500 ÷ 焦点距離 秒(
20mmなら 25 秒)より短く。高画素機ならその半分。 -
ISO で明るさを合わせる 03 センサーと画質
ISO 1600〜6400。撮った写真を拡大して、ノイズと明るさの釣り合いを見る。 -
ホワイトバランスを決める 12 色
3800〜4500K前後で、夜空が自然な青から黒に。光害で空がオレンジなら低めに。
星を点で写すか、線で写すか#
地球が自転しているので、星は空を 1 時間に 15° ずつ動いています。
- 点で写す — 星が流れて見えない時間の目安が、7 章の「500 ルール」です。フルサイズで
500 ÷ 焦点距離秒、20mmなら25s、14mmなら35sです。等倍まで拡大して見るなら、その半分くらいを目安にします - 線で写す(星の軌跡) — 同じ構図で
30s前後の写真を連続で何十枚から何百枚も撮り、比較明合成で 1 枚にします(7 章)。北の空に向けると、北極星を中心にした同心円になります
ノイズへの対処#
星空は ISO 3200〜6400 で撮ることが多く、ノイズは避けられません。
- 露出は、ヒストグラムの山が左端から少し離れるくらいまで明るくします。暗く撮って持ち上げるより、ノイズは少なくなります(8 章の ETTR)
- 長秒時ノイズ低減は、撮影時間が 2 倍になるので、星の撮影では切って、あとで現像のノイズ除去を使うことも多いです(7 章・13 章)
- 同じ構図で何枚も撮って重ね合わせると(スタッキング)、ノイズの目立ち方は枚数の平方根分の 1 になります(4 枚で半分、16 枚で 4 分の 1)。3 章で見たショットノイズの性質そのものです
前景を入れる#
星空だけの写真は、どこで撮ったのかが分からない写真になりがちです。山の稜線、木、建物を前景に入れると、星空の大きさが伝わります。前景はとても暗いので、ブルーアワーのうちに前景だけを撮っておいて合成する、弱いライトでわずかに照らす、といった方法が使われます。
夜に出かける前と、撮る前に