スナップは、街や旅先で目の前に現れた場面を、その場で撮る写真です。場面は一瞬で過ぎていくので、気づいてからダイヤルを回していては間に合いません。スナップの設定の考え方は、撮る前にほとんどを決めておき、撮る瞬間には構図とタイミングだけを考えることです。
撮る前に決めておくこと#
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焦点距離を 1 つに決める 09 焦点距離と遠近感
28〜35mmか50mmの単焦点が定番。画角を覚えると、カメラを構える前に、どこに立てばどう写るかが分かるようになる。 -
絞りとピントを先に決める 06 絞りと被写界深度
f/8前後に絞り、3.3m(過焦点距離)に置きピンする。28mmf/8なら、約1.7mから無限遠までが深度に入る。 -
シャッター速度を決める 07 シャッターと時間
歩く人を止めるなら
1/250sより速く。シャッター優先か、M モードにオート ISO を組み合わせる。 -
ISO をオートにして、上限を決める 05 露出と段
明るさの変化は ISO にまかせる。上限は
6400前後まで許す。 -
露出補正の癖を知っておく 08 測光とヒストグラム
影の多い街では明るく、明るい空を入れると暗く写りがち。撮ってヒストグラムで確かめる。
この設定にしておけば、カメラを構えてシャッターを押すだけで、たいていの場面はピントも明るさも合った写真になります。ピントを合わせる時間がないので、AF を待たずに撮れます。
置きピンとパンフォーカス#
スナップでは、4 章の置きピンと、6 章の過焦点距離をよく使います。
| 焦点距離 | 絞り | ピント位置 | 深度に入る範囲(目安) |
|---|---|---|---|
28mm | f/8 | 3.3m(過焦点距離) | 約 1.7m〜無限遠 |
35mm | f/8 | 3m | 約 2m〜7m |
35mm | f/11 | 3.7m(過焦点距離) | 約 1.9m〜無限遠 |
50mm | f/8 | 3m | 約 2.3m〜4.2m |
(フルサイズ、許容錯乱円 0.03mm)
広角ほど深度が深く、ピントのずれを許してくれるので、スナップには広角が向いています。昼間なら f/8、1/250s でも ISO は低いまま撮れます。
カメラと焦点距離#
スナップのカメラは、小さく、目立たず、いつも持ち歩けるものが向いています。大きな望遠レンズを人に向けるより、小さなカメラを胸の前で構えるほうが、周りの人も自然なままでいてくれます。
28mm— 広く、近づいて撮る。周りの状況ごと写し込む、躍動感のある写真に35mm— 広さと自然さのバランス。もっとも定番の焦点距離50mm— 少し離れて、場面の一部を切り取る。落ち着いた写真に
1 本のレンズで撮り続けると、その画角が体に染み込み、ファインダーをのぞく前に「ここに立てば、このくらい写る」が分かるようになります(9 章)。
何を探すか#
スナップは偶然の写真に見えますが、写真家は何を探すかを決めて歩いています。
- 光と影 — 強い日差しが作る、くっきりした影。建物の隙間から差し込む光の帯。光の当たった場所に人が入ってくるのを待つ方法は、スナップの定番です(10 章)
- 重なり — 手前・中景・奥に違うものが重なる場所。窓ガラスの映り込み、手前の人越しに見える奥の場面(14 章)
- 線と形 — 階段、横断歩道、建物の影が作る線と、そこを通る人
- 繰り返しの中の 1 つ — 同じものが並ぶ中の、1 つだけ違うもの
- 色 — 壁の色と、通りかかる人の服の色の組み合わせ
いい場所を見つけたら、構図を決めて、人が入ってくるのを待つのも方法の 1 つです。
タイミング#
決定的な瞬間は、来てから撮るのでは遅すぎます。歩く人の脚が大きく開いた瞬間、跳んだ人がいちばん高い瞬間は、その少し前にシャッターを押し始めて捉えます。連写に頼りすぎると、いちばんいい瞬間がコマとコマの間に落ちることもあるので、動きを予測して 1 枚ずつ撮る練習も役に立ちます。
出かける前に設定しておくこと