物撮りと料理の撮影では、被写体は動かず、時間をかけて光と構図を詰められます。そのぶん、光の当て方と色の正確さが、そのまま写真の質になります。
設定を決める順番#
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光を決める 10 自然光
大きく柔らかい光を 1 つ、被写体の斜め後ろか横に置く(窓かソフトボックス)。反対側をレフ板で起こす。
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カメラの角度を決める 15 アングルとショットサイズ
真上・斜め 45°・真横の 3 つから、被写体の形がいちばん伝わる角度を選ぶ。
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三脚に据える 07 シャッターと時間
構図を固定して、光と配置だけを詰めていける。ISO を最低にでき、シャッター速度は気にしなくてよくなる。
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絞りを決める 06 絞りと被写界深度
主役の手前から奥まで入れるなら
f/5.6〜f/11。背景や手前をぼかして主役を浮かせるならf/2.8〜f/4。 -
ピントを合わせる 04 ピントとオートフォーカス
主役のいちばん見せたい部分(ラベル、料理の手前の具)に、拡大して合わせる。
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色を合わせる 12 色
グレーカードで WB を取るか、RAW で撮って現像でスポイトを使う。
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明るさを決める 08 測光とヒストグラム
白い背景や白い皿は、カメラまかせだと灰色に写る。露出補正をプラスにするか、M モードで決める。
場面ごとの出発点#
| 場面 | 焦点距離 | 絞り | 光 | ほか |
|---|---|---|---|---|
| 料理(テーブルの上) | 50〜100mm | f/2.8〜f/5.6 | 窓の半逆光 + 手前にレフ | 斜め 45° から |
| 料理(真上から) | 35〜50mm | f/5.6〜f/8 | 窓のサイド光 | 三脚、全体にピント |
| 白い背景の商品 | 50〜100mm | f/8〜f/11 | 大きなソフトボックス + 背景を別に照らす | 露出補正 +1 前後 |
| アクセサリーなど小物 | 90〜105mm のマクロ | f/8〜f/16 | 柔らかい光を上から | 深度合成 |
| つやのある商品(ガラス、金属) | 85〜100mm | f/8 | 大きな光を斜め後ろ、黒い板で映り込みを作る | 映り込みを設計する |
光の置き場所#
物撮りと料理の光は、大きく柔らかい光を 1 つから始めます(10 章)。光をいくつも足すより、1 つの光とレフ板のほうが、影の向きがそろって自然に見えます。
料理は半逆光#
料理は、斜め後ろから光を当てる半逆光がもっとも美味しそうに見えます。
- ソースや油、果物の表面のつやが光り、みずみずしく見えます
- 湯気や透けるもの(ジュース、薄く切った野菜)が光を通して輝きます
- 手前に影が落ちて立体感が出ます。暗くなりすぎた手前は、白い紙やレフ板で起こします
正面からの順光では、つやも立体感も消えて平らな写真になります。窓のそばのテーブルで、窓を料理の向こう側(やや横)に置くのが、いちばん手軽な方法です。
物は形と質感で光を選ぶ#
- 布、木、革、料理の表面の質感を見せたい — 横から当てるサイド光で凹凸を強調します
- 形を柔らかく見せたい — 大きな光を上から、影を薄く
- 輪郭を際立たせたい — 後ろから光を当てて縁を光らせます(リムライト)
ピントと深度#
小さな物に近づいて撮ると、被写界深度はとても浅くなります(6 章)。100mm のマクロレンズで等倍まで寄ると、f/8 でも深度は 1mm ほどしかありません。
- 主役全体に合わせたい —
f/8〜f/11まで絞り、それでも足りなければ深度合成します(4 章) - 一部だけに合わせて、ほかをぼかしたい — 料理の手前の具やグラスの縁に合わせ、
f/2.8前後で奥をぼかすと、雰囲気のある写真になります - 真上から撮る — 被写体がほぼ同じ平面に並ぶので、深度は浅くても全体に合いやすくなります
ピントは、拡大表示で見せたい部分に正確に合わせます。料理なら手前の主役の具材、商品ならロゴやラベルです。
色を正確に#
商品写真では、写真の色が実物と違うと問題になります。
- 撮影の最初に、被写体と同じ光の下でグレーカードを写す
- そのカードでカスタムホワイトバランスを取るか、RAW で撮って現像でスポイトを使う(12 章・13 章)
- 窓の光と室内の照明が混ざらないよう、照明を消す(ミックス光。12 章)
- 画面の色を補正(キャリブレーション)した環境で確かめる
料理は、正確さより美味しそうに見えることを優先して、ホワイトバランスをわずかに暖かく振ることもあります。
白い背景で撮る(Google 画像検索)#
白い背景の商品写真(白バック)では、背景を真っ白に飛ばしつつ、商品は適正に写します。
- 背景を被写体と別の光で照らし、被写体より 1 段ほど明るくします。背景だけが飛び、商品の影も薄くなります
- 被写体は背景から離します。背景の光が被写体に回り込みにくく、影も背景に落ちにくくなります
- カメラの測光は白い背景に引きずられて暗くするので、露出補正をプラスにするか、M モードで決めます(8 章)
映り込みを設計する#
ガラス、金属、光沢のあるプラスチックは、表面が鏡のように周りを映します。つやのある物を撮るときは、物そのものではなく、物に映るものを照らしていると考えます。
- 大きなソフトボックスや白い板を映り込ませると、なめらかな光のグラデーションが表面に出ます
- 黒い板を映り込ませると、輪郭が黒い線で締まります。ワイングラスの縁が黒く際立つ写真は、この方法です
- 自分やカメラが映り込まないよう、黒い布で囲むか、立ち位置と角度を調整します
撮る角度#
15 章で見たとおり、料理と物には定番の角度が 3 つあります。
- 真上 — 皿の並び、テーブル全体、平らな料理。配置の模様を見せます
- 斜め 45° 前後 — 食べる人の目線。立体感と配置の両方が伝わる、もっとも自然な角度です
- 真横 — ハンバーガー、ケーキの断面、グラスの中の層。重なりと高さを見せます
撮る前に確かめること