写真は、光をレンズで集め、決まった時間だけセンサーに当てて、その量を数値にしたものです。シャッターボタンを押せば写真は撮れますが、その一瞬のあいだに、カメラの中では光の量・時間・ピント・色について、たくさんの判断が行われています。
このサイトは、その判断の中身を、仕組みから順に説明します。目標は、撮りたい写真があったときに、どのつまみをどちらへ動かせばよいかを、自分で組み立てられるようになることです。
光の一本道#
カメラの中で起きていることは、次の一本道に並べられます。
光が被写体に当たり、レンズで集められ、絞りで量を調節され、シャッターで時間を区切られ、センサーで数値になり、現像で写真になる。このサイトの章は、すべてこの経路上のどこかの話です。各章の冒頭にある小さな図(光の一本道)は、その章が経路のどこを扱っているかを示しています。
写真を決めている変数#
写真の見た目を言葉に分解すると、次のような性質になります。それぞれを決めているつまみと、扱う章を一覧にしました。読み終えたあとに、逆引きとしても使えます。
| 写真の性質 | 決めているもの | 章 |
|---|---|---|
| 明るさ | 絞り・シャッター速度・ISO 感度、測光と露出補正 | 5 章・8 章 |
| ピントの合う範囲(ボケ) | 絞り・焦点距離・被写体までの距離・センサーの大きさ | 6 章 |
| ピントの位置 | オートフォーカスの設定と操作 | 4 章 |
| 動きの写り方(ブレ) | シャッター速度・手ブレ補正 | 7 章 |
| 写る範囲 | 焦点距離・センサーの大きさ | 9 章 |
| 遠近感 | 被写体との距離 | 9 章 |
| ざらつき(ノイズ) | センサーに届いた光の量 | 3 章 |
| 光の硬さと方向 | 光源の見かけの大きさと位置 | 10 章・11 章 |
| 色 | 光の色温度・ホワイトバランス・現像 | 12 章・13 章 |
| 配置 | 立ち位置・カメラの高さ・枠の切り方 | 14 章・15 章 |
1 つのつまみが、いくつもの性質に同時に効くことに注目してください。絞りは明るさとボケの両方を、シャッター速度は明るさとブレの両方を変えます。撮影の設定を決めるということは、この絡み合いの中で、何を優先するかを選ぶことです。
読み進め方#
第 1 部から順に読むと、前の章の内容を使って次の章を説明する流れになっています。とくに第 1 部(カメラのしくみ)と第 2 部(露出)は、あとのすべての章の土台です。
すでにカメラを使っていて、知りたいことがはっきりしているなら、ホームの断面図から部品を選ぶか、章の一覧から直接読みたい章へ進んでも大丈夫です。第 7 部(ジャンル別の実践)は、それまでの章へのリンクを手がかりに、必要なところだけ戻って読めるように書いています。
シミュレーションの使い方#
多くの章に、暗い枠で囲まれたシミュレーションがあります。カメラのファインダーをのぞいた画面をイメージしています。
- スライダー — 1 つずつ動かして、写真の何が変わるかを見ます。原因と結果を 1 対 1 で確かめられるよう、ほかの条件は固定してあります
- プリセット — 比べると分かりやすい組み合わせを、ボタン 1 つで切り替えられます
- 下端の表示 — 実機のファインダーや背面の液晶と同じように、今の設定値や計算した値を出しています。被写界深度やボケの大きさは、光学の式から計算した値です
- URL — スライダーの状態はページの URL に残ります。気になった状態をブックマークしたり、人に送ったりできます
シミュレーションは、比べるために条件をそろえた模型です。実際の写真より単純ですが、そのぶん、何が効いているのかがはっきり見えます。
用語と表記#
- 本文中の点線の下線が付いた言葉は、写真の用語です。ポインタを合わせる(キーボードでは選ぶ、タッチ操作ではタップする)と、意味と英語での呼び方が表示されます。ほかの場所をタップするか、画面をスクロールすると消えます。英語の呼び方は、海外の資料や現像ソフト、画像検索で使われています
- すべての用語は用語集にまとめています。よく使う数値は早見表にあります
f/2.8,1/125s,ISO 400,50mmのように、カメラに表示される設定値は、実機と同じ表記で書いています- センサーの大きさは、とくに断りがなければ 35mm フルサイズ(
36×24mm)を基準にしています。ほかの大きさのセンサーとの違いは、3 章と 9 章で扱います - カメラは、絞り・シャッター速度・ISO 感度を自分で決められるデジタル一眼(一眼レフとミラーレス)を想定しています。スマートフォンとの違いには、関係する箇所で触れます
写真の作例について#
このサイトには、実際の写真の作例を載せていません。比較はすべて、条件をそろえたシミュレーションと図で行っています。
実際の写真でどう見えるかを確かめたいときは、見出しの横の「Google 画像検索」から、その表現の写真を探せます。